スティルライフという言葉の響きは非常に味わい深い。
静物と訳されると静けさがあたりにそっと忍び寄る。
また英語のまま口にしてみると、
例えば壮大なジオラマのような
確たるあり方のようなものを感じさせてくれる。
写真家・井手宏幸の見せるスティルライフたちは、
きっとこのふたつのニュアンスを同時に持っている。
そこに写っているのは、
時間を止めたものだけが持ち得る決意であり、運命であり、
何より確かなのは、井手のファインダーを通過することで、
被写体が永遠の生命を得たという事実である。彼の素晴らしいオリジナルプリントを会場で眺めながら、
こういった気持ちを再度検証してみたいと思う。
個展「スティルライフ」に寄せて
写真評論家・高橋周平
個展
1988年:「SUMMER SHOW」 at SOHO PHOTOGALLERY NY(group show)
1989年:「IMAGES」at SOHO PHOTOGALLERY NY
1995年:「STILL LIFE」at STUDIO EBIS PHOTOGALLERY
1999年:「21PORTRAIT」at STUDIO EBIS PHOTOGALLERY
←「B&Wプリント・ワークと暗室」表紙 玄光社